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コラム ~ 高山文彦

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2010年08月09日

皆さんこんにちは

 みなさん、こんにちは。社長の髙山です。
 今日、8月9日は私たちにとって、大変記念すべき日となりました。
 高千穂駅から天岩戸駅までの2.2キロ区間を運行できるようになったのです!
 私は8月5日に帰り、翌日、高千穂町と交渉し、スーパーカート(2輌連結、8人乗り)での高千穂-天岩戸往復運行の許可を得ることができました。8日に役員と支援者でジャングルのように生い繁っている雑草を汗だくになって刈り払い、天岩戸駅が藪の隙間から見えてきたときはほんとうにうれしくなりました。
 それからみんなでスーパーカートに乗り込み、試験走行をしたのですが、これまで通ることのできなかった栃又第2橋梁をゆっくりと走っていくとき、田んぼの美しさ、雲海橋の美しさ、切り立った山々の美しさを一望できて、とても心が和みました。そして天岩戸駅にたどり着いたときの感動といったら!
 東洋一の高さに架かる高千穂橋梁はいまだ渡ることはできませんが、立入禁止のフェンスさえなければ、そのまま鉄橋に滑り込むことができるじゃないかと思いました。
 2本のトンネルの涼しさ、あの暗黒の妙な落ち着き、ニレの木にはカブトムシがいます。谷からは風が吹き上げてきます。やがてあの台風から一度も見ることのかなわなかった岩戸方面の険しい山々が左手に見えてきます。
 今日は朝からお客さんを乗せて走りました。新聞の取材もうけました。子どもたち大人の人たちも、みんなニコニコしています。
 いま写真を見せられないのが残念ですが、なんとかすぐにお見せできるようにします。
 ぜひみなさん、乗りに来てください。
 とりあえず8月31日までの運行です。
 

2010年05月03日

みなさん、ぜひ来てみてください。

 動力式トロッコがついにふたつのトンネルを越え、国道218を越えて、あと500メートルほどで天岩戸駅というところまで往復できるようになりました。当面の目標が天岩戸駅までの2.2キロの走行ですので、4分の3まで走れるようになったのです。こんなうれしいことはありません。少しずつ前に進めてきたことが、少しずつ実現しつつあります。高千穂鉄橋をはさんで日之影側にある深角駅も鉄道遺産としての活用を進めていこうとしています。願わくば高千穂鉄橋を越えて深角駅まで往復運行したいものです。そして日之影温泉駅まで行きたいものです。春には見立で収穫された梅を運ぶ梅列車なんていうものを走らせられたらどんなにいいか。
 ゴールデンウィークも残り少なくなりましたが、ぜひみなさん、高千穂においでのさいは高千穂駅を訪ねてみてください。そして小さなカートでひっぱる小さなトロッコに乗ってみてください。目に映る新緑や棚田の光景が、きっと鉄道のすばらしさを語りかけ、こころを安らげてくれることと思います。イケイケ、前に進め、だけでなく、懐かしさというものもきっと生きる力になるのだと思います。
 

2009年10月15日

社長日記

社長日記
僕には思い出があります。父が死んで三回忌を終えたころ、家の襖を張り替えたいと 母が言い出して、そこへ行きました。ちょうど昼飯時で、作業場のなかに声を何度か かけたけれど、誰も出てこない。車の下に白い子猫が2匹いました。庭の片隅の鶏小 屋みたいに大きな網小屋のなかに、6匹の猫がおり、そのなかに白猫が1匹いて、はっ としました。ロシアン・ブルーというのか、トパーズみたいな透明な目の色をしてい たからです。よく見ると、子猫たちも同じ目をしています。
母屋から出てきた作業着姿の小柄な男が主でした。その人は「昼飯を食いよるとこ じゃった」と、ニコニコ笑っている。いつまでたってもその笑顔が消えないものだか ら、この人は怒ったことがないのかと思ったくらいでした。車の下の子猫を指して、 「これたちの親はあの小屋におる」と白い大人の猫を見て、「あれは車に轢かれて脚 を折っちょったとよ。手当してやったっちゃが、背骨までやられちょって、後ろ足が 全然使えんかった。なごうは生きられんじゃろと思いよったら、しばらくして前足だ けで作業場の入口の段差を這うてあがってくるとよね。いまもああして生きちょる」
「オス? メス?」と僕は尋ねました。
「メスよ」と内倉さんは言います。「あれを拾うまえに、3匹おったっちゃもんね。
そんなかの1匹がオスで、それとデケたっちゃん。生まれたつが、あの2匹」
「へえ、体わるしても子を産んだったい」僕はしみじみ親猫を眺めました。
  襖の張り替えを頼みたいと母が言うと、細かい話は省きますが、襖紙を張り替えるだ けならそれは表具屋の仕事だからと別の店を紹介してくれました。われわれは内倉さ んの昼休み時間を妨げてしまったわけですが、「そりゃすまんかったのう」と頭を下 げる母に、彼は笑顔のままで「ヨシャクがわるかったのう」と帽子をとって言ってく れました。
 僕が社長をしていることを知っているらしい彼は、「鉄道がなくなってさびしいも んじゃのう」と言い、「列車の走る音が聞こゆると、昼飯にしよかなあとか、そろそ ろ仕事を終えるかなあとか、時計がわりじゃったもん」と、崖下にのぞく線路に目を やる。
 それからしばらくして、駅に来てくれました。
「なにか手伝うこつがあったら、なんでん言うてくりよ。トロッコに屋根を付くるな ら、やってやるばい」
 あの笑顔で、そう言ってくれるのです。
以来、お会いしてないのですが、地元の役員に聞くと「古民家のちょっとした世話ぐ らいならしてやるぞ」と言ってくれているらしい。ありがたいことです。
 われわれの会社は、ほとんどボランティアでもっています。古民家は畳や壁板がぼ ろぼろで、ダニの住処。活用をどうするか、修復をどうするか、おカネがかかりま す。しかし、それらに使うおカネはありません。また活用にあたってもらえる人もお らず、せっかくの厚意に応えられないのが現状なのです。
 美樹が撮った写真の猫は、2匹のどちらかなのでしょう。内倉さんのかわりに心配 して見に来てくれるのでしょうか。親猫はまだ生きているでしょうか。
 
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